2022/11/11
パーソナルマーケティングとは、文字通り「お客様個人の興味関心や趣味嗜好を捉え、そこから展開するマーケティング」の事を言います。モノが当たりまえのように手に入り、他の商品との差別化が難しくなった今だからこそ、必要かつ注目を浴びているマーケティング手法です。すでに美容業界では「パーソナライズシャンプー」や「パーソナライズコスメ」など、お客様一人ひとりに向き合って最適な商品のご提供をするパーソナルマーケティングを取り入れる企業が増えています。
目次
パーソナルマーケティングが重要になってきた理由は、消費者の生活スタイルやニーズの変化にあります。モノが大量生産されていた高度経済成長期には、人々のニーズやステータスは「モノを持っていること」にありました。当時は皆同じモノを買い、それを持っていることに喜びを感じている時代でした。しかし、今はその価値観が全く変わってきています。モノを買えるのは当たり前。では何に価値を感じるかというと「それを買ったあと、どれだけ自分の生活が有意義なものになるか」です。自分や自分の生活スタイルに合った商品かどうかをジャッジポイントとして、消費者は商品を選んでいるのです。そのため、今後のマーケティングでは個々のお客様の生活や趣味をしっかりと把握し、「あなたの生活にはこのようなモノが適切ですよ」という伝え方をしていくべきだと考えられています。ここから、パーソナルマーケティングで解決できる課題を3つご紹介します。
スマホを開けばインターネットに繋がり、いくらでも情報を集められる時代。今を生きる人達にとって、情報があるのは当たり前です。そのため今求められているのは、「どれだけ簡単に、効率的に自分の求める情報をキャッチできるかどうか」。情報収集におけるタイムパフォーマンスの重要性が上がってきています。パーソナルマーケティングは企業の方からお客様に合った情報をご提示することができるため、タイムパフォーマンスの向上に役立ちます。
タイムパフォーマンスの向上ができ、「この企業からはいつも良い情報が流れてくる」という認識をお客様にしていただいた時、そのお客様にとってその企業は「自分に合った企業」という認定をされます。こうなると、お客様が何か必要になった時、1番に思い出していただくことができます。これはブランディング用語で「企業想起」と言いますが、消費者は商品やサービスを思い浮かべた時に思い出した数個の企業の中から購入をするという事が分かっています。お客様から良い印象を持っていただき、思い出してもらうことが大切です。
パーソナルマーケティングでは、常にお客様の購買行動やアンケート回答、来店履歴などを把握し、そこから企業との関係性を考えたうえでアプローチを創出していきます。という事は、お客様が求めることに非常に敏感になります。この習慣の積み重ねによって、お客様が求めることに非常に敏感になり、お客様の生活にぴったりフィットする商品開発や、これまで見逃されてきたお客様のニーズに気づき、対応できる商品やサービスを生み出すことが可能になります。
ここまでパーソナルマーケティングの重要性と目的をご説明してきましたが、次は一般的な手法とその中でも当グループがおすすめする手法をご紹介します。
WEBターゲティング広告は、消費者の興味関心データに基づいて、それに合った広告が配信される広告システムです。自社で把握したお客様の興味関心や生活スタイルなどに合わせてコンテンツを変えたり、配信時間や配信地域を変えたりしてパーソナルマーケティングに利用されています。
パーソナライズメールは、お客様の購買履歴や属性、顧客ランクに応じて配信するメールの内容や送付の有無を変える方法です。本文の中にお客様の名前を入れて、自分のためだけに来ているように感じさせたり、興味があるであろう商品を紹介したりするために使われています。
パーソナライズと聞くとデジタルでしかできないと思われがちですが、実は紙媒体のパーソナライズも可能です。パーソナライズメールと同じように、可変したDMを作成して送ることが可能です。
いくつか施策の例をご紹介しましたが、皆さんはどの手法を取り入れたいと思われましたか?せっかくパーソナルマーケティングを始めるのなら、効果がしっかり見込めるものにしたいですよね。当グループがおすすめしているのは「紙DM」です。顧客コミュニケーションとしてデジタル媒体が当たりまえになってきている中、驚きのご提案かもしれません。しかし、デジタルネイティブであるZ世代(1996年~2010年生まれの世代)には、情報の信頼性・受け取った時の温かみの面で意外と支持されているのです。ある調査では、企業からのメール開封率は高くて20%、紙DMの開封率は75%という結果が出ています。最近多くのMA(マーケティングオートメーション)ツールでメールが使用されているため、利用率はメールの方が高いですが、開封率を考慮すると紙DMの方がコミュニケーションの効果が高いと言えます。
ここまでパーソナルマーケティングに使われている手法をご紹介しましたが、次はたくさんの企業様が陥ってしまう落とし穴についてご説明します。
マーケティング用語には「パーソナライズ」に似たもので「セグメンテーション」があります。パーソナライズはお客様の趣味嗜好や興味関心など、お客様目線で好まれる情報やサービスをお届けすることを言います。一方セグメンテーションは、企業目線でお客様を分類することです。「A商品を買った人・B商品を買った人・顧客ランクCの人…」のようにお客様の情報を整理する際に必要になるものです。全く意味が異なる用語ですが、日本の企業様は混同してしまうことが多いです。パーソナライズをしているつもりで、「20代女性」「〇〇店ご利用の方」などとお客様を単純に分類してアプローチを企画してしまい、受け取った側は違和感を感じてしまうというのが、1つ目の落とし穴です。
お客様にパーソナライズな情報をお届けしたとき、「あ、こんな良いモノがあるんだ!うれしい」というポジティブな気持ちになる方もいれば、「え、なんで私の好きなモノを把握しているの?気持ち悪い」というようなネガティブな気持ちになる方もいます。パーソナルマーケティングが向いているのはポジティブな方なので、その方だけを選出してアプローチする必要があります。当グループでは、アンケートによってこのポジティブ派とネガティブ派を分類することができる環境もご用意しています。
ここまで手法や懸念点についてお話しました。ここからは、パーソナルマーケティングを実施するにあたり、必要な3つのスキルをご紹介します。
お客様としっかり向き合って最適なコミュニケーションを実施するパーソナルマーケティング。お客様を理解するためには、お客様ごとにデータをチェックできる基盤が必要です。その基盤の事を、マーケティング用語で「CRM(Customer Relationship Management)」と呼びます。パーソナルマーケティングを実施するためには、まず色々なところに点在するデータを統合したり、整理したりしてお客様ごとのカルテを整えるCRM構築が必須となります。それを構築するIT力がまず必要となるスキルです。
データを統合し、スムーズに分析できる状態にしたあと、「どんな顧客に向けて、どんな情報を発信したら購買につながるのか」を考える「企画力」が必要になります。大半のMAツールにはこの部分をフォローする機能がないため、ツール導入後に上手く活用できない企業様のお声をよく耳にします。データを統合したり、分析したりするツールはあっても、そこから戦略を生み出す企画力はAIやITでは補えないところなのです。当グループでは「ヒトの気持ちはデータだけでは分からない」と考えているため、データを基にして人の頭と心で考える企画のステップを大切にしています。
「どんな顧客に向けて、どんな情報を発信するか」という企画が決定したら、次はそれをコンテンツやデザインといった形にしなくてはいけません。それには、企画したチームと意思疎通ができるデザイナーチームが必要です。お客様に響く訴求をどれだけ直感的にお客様に伝えられるか、企画力と併せてとても重要なのが「クリエイティブ力」です。
当グループでは、紙DMを使ったパーソナルマーケティングに加え、情報発信が早いデジタルの強みも掛け合わせたダブルパーソナライズ施策のご提供もしています。また、パーソナライズコンテンツを制作するにあたってITチーム・企画ができるブランディング&マーケティングチーム・企画を形にするクリエイティブチームを全て当グループ内で揃えています。MAツールを入れているが活用できなくて困っている企業様、データをどうにか活用したいがやり方が分からない・人手や時間が足りない企業様、ぜひ一度当グループにご相談ください。創業75年以上、印刷業者としてマーケティングに関わってきた企業ですので、まず集客をという段階からでもお手伝いさせていただきます。一日も早くパーソナルマーケティングを実現し、お客様とより良い関係を築いていきましょう。